Power Automate Desktopの主な機能として、Webサイトから情報を取得したり、サイトに情報を登録することができたり、Excel操作やExcelデータを他のExcelブックやアプリケーションに転記したり、PDFの操作やUI操作、条件設定、ループ処理等の自動化が簡単に作成できます。
詳しくは順を追って説明します。
はじめに
Power Automate Desktop(パワーオートメイトデスクトップ)とはMicrosoftのRDA(Robotic Desktop Automation)で予め用意されているアクションの組み合わせで、プログラミングの知識がなくても、業務プロセスなどを自動化する業務フローを簡単に作成できます。
Power Automate Desktopを使用することで、Web操作やExcel、PDFなどのアプリケーション、UI操作や条件設定、ループ処理等の自動化ができます。
今回は無料で業務自動化ができる、Microsoft Power Automate Desktopについて説明します。
RDAとはRobotic Desktop Automation(ロボティック・デスクトップ・オートメーション)の略です。
デスクトップでの作業をロボットが自動化する意味になります。
RPAとはRobotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略です。
作業工程をロボットが自動化する意味になります。
1.Power Automate Desktopのインストール方法
Microsoftのサイトから無料でダウンロードすることができます。
ダウンロード先はPowerAutomate.Microsoft.comです。
Windows 11の場合は標準で搭載されているので、インストール不要です。
Power Automate Desktopのインストール方法は該当記事はこちらのリンクか、下記の関連記事をご参照ください。
インストールすることにより、1台のパソコンで開発、管理、運用ができます。
クラウド型とは違いデスクトップ上で作動させるので、個々のパソコンにインストールする必要があり、デスクトップ上で実行する操作のみ使用できます。
2.Power Automate Desktopで何ができる?
Power Automate Desktopが得意な作業とは、業務が定型化されていて、定期的に発生する単調な繰り返し業務が向いています。
沢山のアクションから必要な項目を選んで配置するだけで、いろいろな操作が実行可能です。
例えば
Web操作
MicrosoftのEdgeやGoogleのChromeなどのブラウザーを操作することができます。
Webサイトから、Webデータを抽出することや、スクリーンショットの取得、Webフォームの入力などができます。
例えば行政が発信しているWebサイトから情報を取得して、Excelに貼り付けることや、クラウドの経理ソフトにExcelデータを自動転記することや、Webの労務管理ソフトを操作することもできます。
具体例
ブラウザーを起動して、指定したURLや、開いてあるWebページに接続し、自動でWebフォーム入力することができます。
ExcelブックのデータをWebサイトに登録することができます。
WebページをスクリーンショットしてExcelブックに貼り付ける。
Excel操作
Excelの操作には専用のアクションが用意されています。
Excelの起動から保存、セルのコピーや貼り付け、セル内容の取得や書き込み、セルを検索して置換、ワークシートの操作、マクロの実行などができます。
Excelデータを他のExcelブックやアプリケーションに転記することができます。
Excelブックから必要な事項を取り出して、Power Automate Desktopに取り込み、別のExcelブックに転記することもできます。
具体例
Excelブックからデータを取り込み、別のExcelブックに様式を作成しておき、そこに取り込んだExcelのデータを転記します。
マクロの実行を使用して自動でワークシートのコピーを行います。
特定の条件を指定して、Excelブックに転記します。
Power Automate Desktopに数値を設定して、Excelブックの数値と比較し、該当した場合は別のExcelブックに転記します。
・Excelブックのデータを列単位で別のExcelブックに転記
Excelブックから必要なデータをPADに読み取り、アクションのFor eachを使用して、Excelブックから読み取ったデータを、行数分1行ずつ繰り返す処理を行い、繰り返している行から必要なデータを別のExcelブックに列単位で転記します。
条件に合致した1行を別のExcelブックに転記する方法をご紹介します。
ExcelブックをPADに取り込み、「入力ダイアログ」に入力し、該当した行を別のExcelブックに転記します。
複数のExcelブックからセル内容をデスクトップ用PowerAutomateに読み取り、別のExcelブックのセルに転記。
ファイルやフォルダーの操作
ファイルやフォルダーの操作アクションも豊富に用意されています。
ファイルやフォルダーのコピー、移動、削除や名前の変更、CSVファイルのデータテーブルの読み込みや書き込みも行えます。
Power Automate Desktopで、簡単に圧縮ファイルの作成と、解凍を実行するフローを構築できます。
具体例
Excelブックにフォルダー名を入力し、その名前の数だけフォルダーを自動で作成する方法。
ファイルの選択ダイアログでユーザー自身がファイルを選択して、そのファイルをZIPファイルに圧縮及び解凍する方法。
アプリケーションの操作
Excel以外にもアプリケーションの操作で、WordやPDFなどのソフトウェアを操作することができます。
Excelには独自のアクションが設定されていますが、Wordなど他のソフトウェアは「システムのアプリケーションの実行」で呼び出せます。
呼び出したアプリケーションをUIオートメーションで操作することができます。
具体例としてPDFのアプリケーションの操作方法を掲載しています。
Excelで作成したデータをPower Automate Desktopに取り込み、PDFに転記します。
メールの送信
- Excelで送付リストを作成して、Outlookでメールを送信できます。
レコーダー機能
- デスクトップ上での操作をPower Automate Desktopのレコーダーで記録し、アクションが作成されて、フローを構築し、デスクトップから記録した操作をリアルタイムで編集できます。
Excelのマクロの記録の機能に似ています。
その他にも、マウスやキーボード操作を記録しておき、いつでも同じ作業を実行できます。
3.あらかじめフローのサンプルが用意されています
Power Automate Desktopでは、自分でアクションの設定をしなくても、予めフローのアクションが配置された、サンプルが用意されています。
フローコンソールの自分のフローの横に「フローの例」が表示されています。
サンプルカテゴリは3つで、Excelの自動化、Webオートメーション、デスクトップオートメーションのフローが全部で19件作成されています。
サンプルフローを起動するだけで、目的のフローが配置されます。
自分でアクションの設定をしなくても、予めフローのアクションが配置された、サンプルが用意されています。
サンプルの使い方を説明します。
4.作成したプログラムを別のパソコンに移す
Power Automate Desktopで作成したプログラムを、別のパソコンに移して共有することもできます。
5.Power Automate Desktopの使い方と機能説明
当サイトで、基本的な使い方と機能の説明を掲載しています。
PowerAutomateDesktopの基本的な使い方と機能の説明。
フロー構築に便利なデバッグ機能や、アクションの無効化、フローを途中から実行する方法。
サブフローとはアクションが集まった、1つのグループです。
アクション数が多くなり、フローの内容が複雑になると、管理が大変になります。
そこで、同じグループのアクションをサブフローに割り当てることで、フローの管理が簡単にできます。
その他のPower Automate Desktopの使い方は、当サイトの記事のまとめページに掲載しています。
最後に
Power Automate Desktopを使用することで、日常的な反復業務等を自動化することで人的ミスが減り、作業時間も短縮することが出来ます。
業務の効率化や時間短縮で、残業を減らしたり、同じことの繰り返しでイライラしなくなったり、自動化することで人的ミスが減りストレスなく、仕事をスムーズに進めることができたりと、操作方法を覚えるまでが大変ですが、これからも使用方法などを掲載していきたいと思います。