今回はPower Automate Desktopの条件アクションを使用することで、色々な条件によって処理を分岐させる方法をご紹介します。
IFを使用して、○○○円以上なら次の処理を行う、○○と○○が等しかったら合計する、条件を満たしていない場合は○○の処理を行うなど、条件を比較して処理を行います。
IFは論理式で条件を指定します。
複数の条件設定を、色々な演算子で行う式のことを、論理式と言います。
2つの値を比較する場合は、次の比較演算子を使います。
比較演算子 | 使用例 | 意味 | |
と等しい(=) | A=B | AとBが等しい | |
と等しくない(<>) | A<>B | AとBが等しくない | |
より大きい(>) | A>B | BよりAが大きい(超える) | 「超える」とは対象の数字を含まずに その数字より大きい場合。 |
以上である(>=) | A>=B | AがB以上 | 「以上」とは対象の数字を含んだ その数字より大きい場合。 |
より小さい(<) | A<B | BよりAが小さい(未満) | 「未満」とはその対象の数字を含まずに その数字より小さい場合。 |
以下である(<=) | A<=B | AがB以下 | 「以下」とは対象の数字を含んだ その数字より小さい場合。 |
次を含む | 同じ値が含まれている | 最初のオペランドと2番目のオペランドに同じ値が含まれている。 | |
次を含まない | 同じ値が含まれていない | 最初のオペランドと2番目のオペランドに同じ値が含まれていない。 | |
空である | 値が入っている | 最初のオペランドに値が入っている。 | |
空でない | 値が入っていない | 最初のオペランドに値が入っていない。 | |
先頭 | 最初のオペランドと2番目のオペランドの先頭の値が同じ場合。 | ||
先頭が次でない | 最初のオペランドと2番目のオペランドの先頭の値が違う場合。 | ||
末尾 | 最初のオペランドと2番目のオペランドの末尾の値が同じ場合。 | ||
末尾が次でない | 最初のオペランドと2番目のオペランドの末尾の値が違う場合。 |
今回は条件アクションの中で「If」「Else if」「Else」を使用します。
Power Automate Desktopの条件のアクションを使用して条件を指定します。
If・・・指定した条件を満たす場合に処理を実行します。
Else if・・・前のIfステートメントで指定した条件を満たしていないが、このステートメントで指定した条件を満たす場合に処理を実行します。
Else・・・前のIfステートメントで指定した条件を満たしていない場合に処理を実行する。
式の結果が「TRUE」か「FALSE」のどちらかになります。
・TRUE 真(はい)
・FALSE 偽(いいえ)
今回は入力ダイアログに年齢を入力して、40歳の場合は介護保険料の給与からの控除開始、65歳の場合は介護保険料控除終了、それ以外は該当なしをメッセージで表示するようにします。
今回のアクション
※「If」アクションを使用して、年齢が40歳に該当する場合は、「介護保険料控除開始」のメッセージを表示します。
※「Else if」アクションを設定して、年齢が65歳に該当する場合は、「介護保険料控除終了」のメッセージを表示します。
※「Else」アクションを設定して、年齢が40歳と65歳以外の場合は、「該当なし」のメッセージを表示します。
1.入力ダイアログ
入力ダイアログに年齢を入力するアクションを設定します。
1.アクションの「メッセージボックス」から「入力ダイアログを表示」をドラッグします。
・入力ダイアログのタイトル:タイトルを入力します。
今回は「介護保険料について」と入力します。
・入力ダイアログメッセージ: 表示するメッセージを入力します。
今回は「年齢を入力してください」と入力します。
・メッセージボックスを常に手前に表示します。
2.If
「If」アクションを使用して、年齢が40歳に該当する場合は、「介護保険料控除開始」のメッセージを表示します。
1.アクションの「条件」から「IF」を「入力ダイアログを表示」の下にドラッグします。
最初のオペランドと2番目のオペランドを比較します。
・最初のオペランド:入力ダイアログで生成された変数 %UserInput% を入力します。
・演算子:「と等しい(=)」を選択します。年齢が40歳の場合に処理を行います。
・2番目のオペランド:40と入力します。40歳の年齢を判断します。
メッセージボックスに「If」の処理結果を表示させます。
2.アクションの「メッセージボックス」から「メッセージを表示」を「If」の中にドラッグします。
・メッセージボックスのタイトル:タイトルを入力します。
今回は「年齢が40歳に達したとき」と入力します。
・表示するメッセージ: 表示するメッセージを入力します。
今回は「給与から介護保険料控除の開始」と入力します。
・メッセージボックスを常に手前に表示します。
3.Else if
続いて、「Else if」アクションを設定して、年齢が65歳に該当する場合は、「介護保険料控除終了」のメッセージを表示します。
1.アクションの「条件」から「Else if」を「メッセージの表示」の下にドラッグします。
・最初のオペランド:入力ダイアログで生成された変数 %UserInput% を入力します。
・演算子:「と等しい(=)」を選択します。年齢が65歳の場合に処理を行います。
・2番目のオペランド:65と入力します。65歳の年齢を判断します。
メッセージボックスに「Else if」の処理結果を表示させます。
2.アクションの「メッセージボックス」から「メッセージを表示」を「Else if」の中にドラッグします。
・メッセージボックスのタイトル:タイトルを入力します。
今回は「年齢が65歳に達したとき」と入力します。
・表示するメッセージ: 表示するメッセージを入力します。
今回は「給与から介護保険料控除の終了」と入力します。
・メッセージボックスを常に手前に表示します。
4.Else
続いて、「Else」アクションを設定して、年齢が40歳と65歳以外の場合は、「該当なし」のメッセージを表示します。
1.アクションの「条件」から「Else」を「メッセージの表示」の下にドラッグします。
メッセージボックスに「Else」の処理結果を表示させます。
2.アクションの「メッセージボックス」から「メッセージを表示」を「Else」の中にドラッグします。
・表示するメッセージ: 表示するメッセージを入力します。
今回は「該当なし」と入力します。
・メッセージボックスを常に手前に表示します。
アクションの完成
※別の記事に、Ifを使用してExcelブックの転記を行う具体例を掲載しています。該当記事はこちら
従業員名簿から年齢を確認し、40歳なら「介護保険料控除開始のお知らせ」を、65歳なら「介護保険料控除終了のお知らせ」のExcelブックに自動で氏名を転記して保存する処理を行います。
※別の記事に、特定の条件を指定して、Excelブックに転記する方法をご紹介します。該当記事はこちら
ExcelのIfとIFS関数の使用方法も掲載しています。該当記事はこちら
ExcelではIF関数を使用して、○○○円以上なら次の処理を行う、○○と○○が等しかったら合計する等、条件を比較して計算することが出来ます。
比較演算子やIF関数、複数条件を指定できるIFS関数の使用方法。
以上でIfの条件分岐についてご紹介しました。